
すいへいのやぼうはきみのはね。
カレンダーの裏にサインペンで何となく落書きし始めると止まらなくなってビミョーに大作(?)になる。しかたなくPhotoshopで色をつけて。

外界と遮断された島。しゃべるカカシは未来がわかる。画家は嘘しか言わない…。
屈折した童話のような雰囲気で話が進む。ミステリなのかそうでないのかわからないまま「殺人」は起こる。どう決着をつけるんだ?
最終場面でいろいろな出来事が次々に収束していく。そのやり方があまりにも詩的なのでびっくりする。
シュールレアリスムを身にまといつつもミステリとしてきちんとしているのが奇跡的に美しい。

やっと見終わる。吉原の話がもうひとつ。歌麿と写楽をどう描くのかという興味でなんとか最後まで見たという感じなんだけど…だけど…。
歌麿の大首絵「歌撰恋之部 物思恋」が好き。これまでに見たあらゆる絵の中で一番好き。その絵の下書きが終盤やっと登場する。ちょっと目がぱっちりしすぎたりするのを蔦屋重三郎がプロデュースして修正して仕上がるのが面白い。蔦重と袂を分っていた歌麿のもとに刷り上がりが届くと歌麿はびりびりに引き裂いてしまう…。えーー?
ものつくりの世界はほんといろいろむずかしい。
ラスト5話はドラマとして絶好調。ミステリ的な展開を絡めて大技をくり出すので楽しくてしかたがない。斎藤十郎兵衛を写楽の正体とせず、アクロバティックなひねりを加えた上でうまくつじつまを合わせている点にも好感を持つ。
脇では松平定信。生真面目で文芸オタクで、なんかかわいく見えてくる。いいなー。
最終回、稲荷の化身が姿を表し蔦重にお迎えの予告をする。その時が来そうになると集まった人たちが屁おどりをする。どちらもあまり面白くないのだけれど、そこで蔦重の最期の一言。これが見事に決まる。拍子木と「へ!」の幻想になぎ倒されるかのようにエンディングタイトルに流れ込み、にぎやかに幕がおりる。
作り物の楽しさを極めた最終回。

滋賀のヒトは滋賀県愛が強い?
滋賀を舞台に成瀬あかりをいろいろな視点で描いた6つの短編。
正攻法でずれている特異なヒロイン。まっすぐすぎる行動がただただ気持よくて泣けてくる。普通はこんなに迷いなく振る舞えないもんな。尊敬する。
成瀬の人物像もすごいけど「コンビ」を組む島崎みゆきもなかなかのもの。つきあいがいい。それ以外の登場人物もとてもうまく配置されてこの世界を鮮やかに描き出す。
一つ一つ読み進めながらこういう感じねとか思うけど毎回少しずつこちらの予想は外れる。全体の構成の妙。作者の企みにシビれる。
各話どれも五つ星をつけたいところ。
夜中に「膳所から来ました」を読みながらクククと笑いをかみ殺す。こういう種類の幸せは久しくなかったような。
「レッツゴーミシガン」が一番感性にぴったりくる。心の動きを繊細に描きつつもおかしかったり甘酸っぱかったりするのが最高。
文庫版では本編の後に「大津ときめき紀行 ぜぜさんぽ」というエッセイが入る。ひねりが効いていてもうダメ押し。聖地巡礼なんてちょっとバカにしていたけど「膳所に行ってみる?」と、一瞬ゆらりとしたり…。

すべてに過剰、北香那のコメディエンヌの才能が爆発。女同士の友情にバレエとラーメンをからめて大胆と繊細が入り混じって楽しすぎる。
次々に襲いかかるトラブルに全然めげないヒロイン(その原因の半分は自分のせいだとしても)、うらやましいくらいにいつも前向き。どっちを向いているかわからないくらい前向き。うーん、すごい。笑うしかない。
話の中のいくつかのエピソードが中途半端なまま終わったような気がする。そのこともあってもっともっと見ていたいと切に望む。


世界文化社「脳トレ・介護予防に役立つ まちがいさがし 日本の昔ばなし編」。
いろいろなまちがいさがしの絵を描いてきたけど日本の昔話みたいなキャラの立ったものだと作る方も見る方も楽しさが増す。
おなじみのお話とはいえ描くにあたってかなり調べまくることになる。知ってるようで知らない「一寸法師」もそんな話なのかと新鮮だったりする。
「ふだん日本の伝統とかあまり考えないもんな…。 そんなんじゃダメでしょ」と、ワタシの中のDNAがぶつぶつ言っている。
今回も勉強になりました。めでたしめでたし。


Z会「ぺあぜっと」年中 2がつ。
さかさまことばがいっぱいの街はさりげなくおかしな世界。木の上で不敵な微笑みとともに悪さをする猿にチェシャ猫を連想する。We are all mad here…「不思議の国のアリス」。
別の見開きページは鏡だらけで、合わせ技でどう見ても「鏡の国のアリス」。
ルイス・キャロルの世界に迷い込んだんだなとひとり妄想する。