
白夜書房「クロスワードランド」7月号。
空き地で三角ベースの野球とか、2人でする野球(?) の思い出はある。土管はどうだったっけ?
デザイン事務所に就職してからも机の横で、隣の席のコピーライターと新聞紙丸めたバットとボールで野球もどきをやった思い出があったり…。どんな職場だ。
いつの時代も男の子はみんなバカだというお話。

白夜書房「クロスワードランド」7月号。
空き地で三角ベースの野球とか、2人でする野球(?) の思い出はある。土管はどうだったっけ?
デザイン事務所に就職してからも机の横で、隣の席のコピーライターと新聞紙丸めたバットとボールで野球もどきをやった思い出があったり…。どんな職場だ。
いつの時代も男の子はみんなバカだというお話。

5組の登場人物たちの物語が並行して描かれる。互いに関係しているようなしていないような、よくわからない進行。期待度MAX。
そして、拳銃事件や殺人計画やカルトや野良犬やバラバラ死体や泥棒など入り乱れてすごい展開になる。どうまとめるんだとわくわくする。
点と点が結び合わされ全体が形を現す後半の快感といったら。幸せすぎて笑ってしまう面白さ。作者の筆の人間的温かさがそれをしっかり支える。
ビートルズの「Here Comes The Sun」も効果的に使われてるし。
なんでこんなに波長が合うのかなーと夢見るように本を閉じる。そのあとその曲をかけて ♪ It's all right の一節に耳を傾けたのは言うまでもない。
それにしても登場人物の黒澤は何て魅力的なんだ…。

ミステリ短編集。おもしろく読ませて最後は思いもよらない形で結末をつける。6つの短編、どれも高いレベルできちっと作ってあって舌をまく。人の心を中心に据えて技を決めるのがすごい。
「万灯」のどぎつさにのけぞり、「柘榴」の怖さに震え上がる。他の作品も甲乙つけがたく。
ただ登場人物のどす黒い感じは苦手かもしれない。なので、すごいすごいと絶賛しながらも大好きとは言えないもどかしさも。

外界と遮断された島。しゃべるカカシは未来がわかる。画家は嘘しか言わない…。
屈折した童話のような雰囲気で話が進む。ミステリなのかそうでないのかわからないまま「殺人」は起こる。どう決着をつけるんだ?
最終場面でいろいろな出来事が次々に収束していく。そのやり方があまりにも詩的なのでびっくりする。
シュールレアリスムを身にまといつつもミステリとしてきちんとしているのが奇跡的に美しい。

やっと見終わる。吉原の話がもうひとつ。歌麿と写楽をどう描くのかという興味でなんとか最後まで見たという感じなんだけど…だけど…。
歌麿の大首絵「歌撰恋之部 物思恋」が好き。これまでに見たあらゆる絵の中で一番好き。その絵の下書きが終盤やっと登場する。ちょっと目がぱっちりしすぎたりするのを蔦屋重三郎がプロデュースして修正して仕上がるのが面白い。蔦重と袂を分っていた歌麿のもとに刷り上がりが届くと歌麿はびりびりに引き裂いてしまう…。えーー?
ものつくりの世界はほんといろいろむずかしい。
ラスト5話はドラマとして絶好調。ミステリ的な展開を絡めて大技をくり出すので楽しくてしかたがない。斎藤十郎兵衛を写楽の正体とせず、アクロバティックなひねりを加えた上でうまくつじつまを合わせている点にも好感を持つ。
脇では松平定信。生真面目で文芸オタクで、なんかかわいく見えてくる。いいなー。
最終回、稲荷の化身が姿を表し蔦重にお迎えの予告をする。その時が来そうになると集まった人たちが屁おどりをする。どちらもあまり面白くないのだけれど、そこで蔦重の最期の一言。これが見事に決まる。拍子木と「へ!」の幻想になぎ倒されるかのようにエンディングタイトルに流れ込み、にぎやかに幕がおりる。
作り物の楽しさを極めた最終回。