2026/01/08

ドラマ「シナントロープ」を見る


ハンバーガーショップを舞台にした青春群像のように始まっていきなり妙な事件が起こり…。

どういう話かわからないまま不思議な演出でドラマは進む。「オッドタクシー」の此元和津也だから裏切らないだろうという信用で見続ける。

けっこうダークなシーンも出てきて必ずしも好みじゃなかったりする。でも山田杏奈のチャーミングさと相殺するのでOK。

ラスト2話くらいで明らかになる真実に驚嘆する。「真実」というより周到に張り巡らされた伏線に。

ぼーっと見ていて見逃していた部分も多く、ネット上の考察サイトを見てあらためて作者の企みを知る。作る側も考察する側もなんでそこまでやるかと、そちらの方が驚きの連続。

登場人物それぞれが鳥になぞらえられる。11話の里見奈々(影山優佳)、カラフトフクロウとシンクロするような場面の演出がよかったなー。本筋とはあまり関係ないんだけど静かなホラーのような空気が印象に残る。

あとはなんと言っても久太郎(アフロ)。情感たっぷり、裏の主人公。 

ひとりずつあげていくと全員に言及してしまいそう。もう一回初めから見返してもいいかな。 

2025/12/22

浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」を読む

入社試験をモチーフに人間の裏表をからめるミステリ。グループディスカッションに仕掛けられた企みに嫌な展開になるのではと、はじめは思うが…。

6人の大学生の本当の顔はどれ? イメージが猫の目のようにくるくる変わる。小さな違和感はあちこちにあったのだけれどそれの意味はわからず、話は終盤で思ってもみなかった方向へ進む。怒涛の展開。ページをめくる手が止まらない。

ラストの手前での「嶌衣織の○」に参る。メイン部分ではないが心の中でうおーっと叫ぶ。

律儀すぎる伏線回収がおもしろくてしかたがない。

技巧のかたまりみたいな小説。

2025/12/21

ドラマ「良いこと悪いこと」を見る


小学生の時に埋めたタイムカプセルから出てきた将来の夢の絵。卒業アルバムの中の6人は顔が塗りつぶされて…。

絵になぞらえて1人また1人と不審な死を遂げる。少しずついろいろなことを思い出し、関係者も増えていく。替え歌の効果も絶大でミステリならではのドキドキ感。その語り口に引き込まれる。

どう結末をつけるかと思いながら迎えた最終章は力が入りながらもちょっと唐突な流れ。謎と論理のアクロバットを期待するのは無理か。でもじゅうぶんに楽しませてもらったのでよしとする。

毎回オープニングで流れるポルノグラフィティの「アゲハ蝶」があまりにも雰囲気にぴったりなのでにわかファンみたいになる。初めてポルノグラフィティをちゃんと聴く。ウィキペディアで詳しく調べたりとかも。

2025/12/19

生物の推しポイントの絵を描く




東京書店 / 五十嵐杏南「生物の推しポイントをマネしてみた!」。

バイオミメティクス(生物の模倣)から人類は何を学び何を発明してきたか。たくさんの写真とイラストを駆使してわかりやすく語る。おもしろくてためになる本。

案内役の4種の猫のキャラクター、科学的説明イラスト、人物コラムイラスト。それぞれ方向の違う絵を描き分ける。80点あまり。かわいい絵もわかりやすい絵もほっとする絵も得意といえば得意だけど1冊の中で全部やるのは珍しい。

説明イラストを送った時に編集担当者A某から「ネコのイラストと同じ方とは、思えないです!(めちゃくちゃ、ほめ言葉です!)」というメールをもらって苦笑する。

多重人格というかコンビニ的というか…(アナタ、ほんとはナニが描きたいの?)。まあ楽しくお仕事できればいいか。

2025/12/11

回文で落書きする


以前は極道、読後反省。

↑いぜんはごくどうどくごはんせい

2025/11/30

回文で落書きする


世捨て人が高跳びですよ。

↑よすてびとがたかとびですよ

2025/11/22

一穂ミチ「ツミデミック」を読む

罪とパンデミック。コロナ下で罪と関わってしまう人たちの話が六つ。

何気ない日常描写で始まって次第に道を外れ、最後にくわっと驚きの非日常が顔を出す。背筋が凍ったり、涙を流さんばかりになったり、その振り幅が楽しい。

文章は軽快。お話作りのテクニックが走りすぎるくらいだけれど、それも含めてこの作者の良さなのかと。

6編中では「祝福の歌」がベスト。不穏な空気が広がってどうなるかと思ったら、こういう形で幕を引くかと涙する。

「燐光」のツイストを効かせまくった感じもおもしろいけど。

ラストの「さざなみドライブ」がまた大荒れ。なんとか収束するものの小さな棘は残る。それでも安心して本を閉じられる幸せ。いつの間にか作者にねじ伏せられ納得している?

2025/10/26

ドラマ「愛の、がっこう。」を見る

タイトルがアレだし…生真面目な高校教師(木村文乃)と浮ついたホスト(ラウール)のベタな恋愛もの…と思ってしまって、第1話だけ見てほったらかしにしていた。忘れた頃になって続きをなんとなく見始めると。

第3話の「カヲルさんはバカじゃありません」という台詞にやられる。それ以降はどんどん物語が加速して止まらなくなる。ベタであろうと通俗的であろうとそれが何か?

主役の二人を含め登場人物の配置がとてもよく出来ている。

ヒロインの交際相手(中島歩)の曲者ぶり、最高。酒向芳と筒井真理子も期待を裏切らない見せ場を作る。暴走ぶりに笑う。他の人物も適材適所でうまくからみ合って、話を気持ちよく進める。

プロフェッショナルな制作陣にひたすら涙。

オープニングのタイトル文字映像も最終回だけ少し変えてあって、物語と絶妙にリンクする(こういうのに弱い)。画竜点睛。

こんなに正攻法のドラマで面白いのって久しぶりかも。