2026/06/07

有吉佐和子「悪女について」を読む

謎の死を遂げた富小路公子。週刊朝日のインタビューで27人の関係者が生前の思い出を語るという形を取る。1978年週刊朝日連載。メタフィクション? 気が利いてる。

新しい証言が出てくるたびに公子のイメージがくるくる変わる。悪女、聖女、やり手のビジネス・ウーマン、夢見る少女…。初めから最後まで翻弄され続けるのが楽しい。

ある証言者が他の証言者に言及する部分の印象のずれのおかしさもよくできている。

皮肉のきいた壮大なほら話。極上のエンターテインメント。今読んでも全然古びていない。

「まああ」と物静かに話す公子に見入る。心の中で何回も「カッワイー!」と叫んだワタシはバカです、たぶん。でも一生だまされ続けるという幸せもあるし(悪いのに引っかかって人生を棒に振るタイプ)。