「早川良雄みたいだ」
10年以上前,ある公募展で,ワタシの出した絵が,その時の審査員のA某にそう言われたらしい(立ち会った関係者から聞いた話)。誰々風と見られてしまうのはモノ作りとして情けないけれど,早川良雄となると何ともくすぐったい。畏れ多くも…意外…やっぱり…いろんな気持が入り混じった,でもどこかうれしさが勝ったような不思議な感情。選考座談会の中でワタシの作品が関西風の色と形と評されているのを読んで,初めて自分の「血」に気づいたりした…。
早川良雄の追悼記事は日本のグラフィックデザインの草分けという面を強調したものが多いけれど,ワタシにとっての早川良雄は,’80年代に始まってつい最近まで続いた京阪百貨店のポスターの人。ふんわり且つ大胆なタッチにいつも見とれた。シリーズ全体で一体何枚描かれたのか…すべてが傑作ではないにせよ量も大切な要素だなと思う。
1917年生まれ,享年92歳。60代半ばから新たに巨大な花を咲かせたエネルギーを思い返してため息が出る。もう新作は見られないんだと,手元にある作品集など何冊かをあらためてあちこちめくったりしている。
2009年3月31日
2009年3月21日
「フェアリー・テイル」を見る
'96年,オムニバス形式のフランス映画。各話の主演はカトリーヌ・ドヌーブ,ミュウ・ミュウ,エマニュエル・ベアール。
第2話「ジョセフィーヌとジプシー楽団」(監督バンサン・ラバレック)が好み。音楽関係の会社の同僚にすっぽかされてジプシー楽団の音楽にひとり延々つきあわされるプロモーションビデオ担当者(ミュウ・ミュウ)の憂鬱。ロックという名のイカれた男のヘンな登場のしかたがおかしい。
フラミンゴを食べる云々という台詞,伴走するバイク,(音楽の)「情熱の花」,PIZZAと書かれた車,白馬,フクロウみたいな鳥といった細部…オフビートな映像と魂の音楽(?)の組合せが,「当事者には悲劇,端から見ると喜劇」をうまく演出して,そこはかとないユーモアが漂う。というか,苦笑の連続。
ほとんど切れかかりながらパンをかじっているミュウ・ミュウがいい。出演作を1本も見ていなかったので,ちゃんと見なくてはと思う。
第2話「ジョセフィーヌとジプシー楽団」(監督バンサン・ラバレック)が好み。音楽関係の会社の同僚にすっぽかされてジプシー楽団の音楽にひとり延々つきあわされるプロモーションビデオ担当者(ミュウ・ミュウ)の憂鬱。ロックという名のイカれた男のヘンな登場のしかたがおかしい。
フラミンゴを食べる云々という台詞,伴走するバイク,(音楽の)「情熱の花」,PIZZAと書かれた車,白馬,フクロウみたいな鳥といった細部…オフビートな映像と魂の音楽(?)の組合せが,「当事者には悲劇,端から見ると喜劇」をうまく演出して,そこはかとないユーモアが漂う。というか,苦笑の連続。
ほとんど切れかかりながらパンをかじっているミュウ・ミュウがいい。出演作を1本も見ていなかったので,ちゃんと見なくてはと思う。
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