'96年,オムニバス形式のフランス映画。各話の主演はカトリーヌ・ドヌーブ,ミュウ・ミュウ,エマニュエル・ベアール。
第2話「ジョセフィーヌとジプシー楽団」(監督バンサン・ラバレック)が好み。音楽関係の会社の同僚にすっぽかされてジプシー楽団の音楽にひとり延々つきあわされるプロモーションビデオ担当者(ミュウ・ミュウ)の憂鬱。ロックという名のイカれた男のヘンな登場のしかたがおかしい。
フラミンゴを食べる云々という台詞,伴走するバイク,(音楽の)「情熱の花」,PIZZAと書かれた車,白馬,フクロウみたいな鳥といった細部…オフビートな映像と魂の音楽(?)の組合せが,「当事者には悲劇,端から見ると喜劇」をうまく演出して,そこはかとないユーモアが漂う。というか,苦笑の連続。
ほとんど切れかかりながらパンをかじっているミュウ・ミュウがいい。出演作を1本も見ていなかったので,ちゃんと見なくてはと思う。