2007年12月19日

ドラマ「ハタチの恋人」を見る

長澤まさみ,アイドルとしてのピークは越えたとはいうものの,やっぱりかわいいなー,美しいなーと,画面を見ながらとめどなく顔がゆるむ。まっすぐで芯の強い役柄が合っている。この1年では一番チャーミングだったのではないかしらん。

低視聴率が話題だけれど,それなりにおもしろく見る。

ところどころに出てくる間違いの喜劇は,古いハリウッド喜劇によくあったような展開で,大好きなパターンだし,小躍りする市村正親とちょっと変なキムラ緑子のかけあいも楽しい。ヒロインにふりまわされ続ける由紀夫ちゃん(塚本高史)がなさけなくて笑える。

作り手が自分に対する要求水準をもう少し高く持っていればもっといい作品になったのにと惜しむ。

2007年12月11日

原田知世「Me and Music」を聞く

渋めのカバーアルバム。 デビュー25周年,40歳と聞くと,そんなに熱心なファンでもないのになぜか感慨深げだったりする。

「I Will」(ビートルズ),「くちなしの丘」(キセル)などというビミョーな選曲に負け,ボサノバのギターをバックに静かに歌われる「時をかける少女」に,オトナになったなーと遠くを見る。

ほんとはもうちょっと元気な曲が多い方が好みだけれど,趣味のいい調度品を並べたようなこのアルバムが今の原田知世の心境なのだろうとひとりうなずく。

CDブックレットにある,参加ミュージシャンと一緒に撮った写真では,フツーの人,近所のおばさんみたいに写っていて,何でこんな写真を使ってんだろとクレジットを見ると,Photography(Polaroid) : Ed TSUWAKIとある。そうか,一番身近な人の目にはこんな風に映るのかと納得しつつ,またもや感慨。

2007年11月20日

原田知世「ロマンス」のPVを見る

5年ぶりにアルバムを出すというので何となくネットを検索。

YouTubeで古いPVを見つける。10年前のヒット曲「ロマンス」。これが収録されたアルバム「I could be free」は出た当時すぐに買ったけれど,PVは見た記憶がない。

真正面のアップで歌う映像がキュート。ちょっとドキドキ。

歌手としては乗りに乗っていたこの時期,別の面でも原田知世は一つの頂点だったのだなと今頃になってわかる。気づくの遅すぎ。

2007年11月5日

陸奥A子の漫画を読む

学生時代,アルバイト仲間の女の子U某に「陸奥A子の漫画に出てくる女の子みたい」と言われたことがあって(ご丁寧にエイコのエイはアルファベットのAという説明付きで),どういう意味なのかとずっと気になっていた。図書館でたまたま見つけた陸奥A子の本を借りてくる。

もっとセンチメンタルな感じを想像していたらはずれた。

何とのほほんとしたヒロインたち。浮世離れにもほどがある。それに昭和の漫画とはいえ,こんなに絵に力が入っていなくていいのか? 遅れてきたカルチャーショック。

ワタシもこれくらいおめでたく幸せな毎日を送ることができればよかったろうけど。そんな風に見えた? 実際はいつもいっぱいいっぱいだったあの頃。

「ワタシとは全然似ていない」と,今は消息不明のU某に異を唱える。

2007年10月22日

ドラマ「ちりとてちん」を見る

題名の古めかしさとは裏腹に若々しいミーハー演出。後ろ向きの性格のヒロイン(貫地谷しほり)の妄想場面が楽しく,母親(和久井映見)のずれたキャラクターが火に油を注ぐ。

なぜか落語家の家に転がり込んだヒロインがまわりのちょっと変な人々を巻き込んで,物語も右往左往。こんなにオフビートな朝ドラも珍しいのでは。

それでいて泣かせ所はきちんと心得ていたりする。

タイトルバックがまたよくて,日本の古い意匠をコラージュして動かしただけのものなのに,色と形の美しさに目が洗われる思い。

みんなでいい仕事してる。

2007年10月20日

ともさかりえ「むらさき。」を聞く

'99年発表。シーナ・リンゴ作詞作曲が3曲あって,当時話題になったとか。全然知らなかった。曲調はいかにも林檎なのに,ボーカルのせいでやけにあっさり味になっているのがおもしろい。

それよりも,ワタシのお気に入りは4曲目「たそがれ」(Pink Opaque作)。けだるい夏の終りを大人っぽく歌うボサノバで,好きな人にはたまらない曲調。ともさかりえ一世一代の名曲(?)。

CDジャケット写真は,薄着のともさかりえがステンレスのポールとからみあっていい感じ。絶妙の乱れ具合にファンでなくともちょっと気を引かれる。よくこんな写真が撮れたなと感心する。

リアルタイムでこのアルバムに出会わなかったことが悔やまれる。

2007年9月25日

iPodにツンデレする

今さらながらiPodを買う。

<before>
外で音楽を聞くのはどうも。周りの騒音でまともに音楽鑑賞できないし,誰かに声をかけられても気づかないし。 それだけならまだしも道を歩く時は車にはねられかねないし。

だいたい今現実に起っている音に耳をふさぐなんて間違ってる。どうでもいいことやどうでもいい音の中にこそ大切なものがひそんでいるのだ。

<after>
そういえば外でヘッドホンで音楽を聞いたことってほとんどなかったような…。やってみると雑音を遮断して好きな音に浸る快感に感動する。退屈な電車内や電車待ちの時間が異様に楽しい。電車が永遠に駅に着かずに走り続ければいいのに。乗り過ごしそうになること何回か。

うちの奥様には「単細胞。アメーバ並み」とうらやましがられる(バカにされてる?)。ウチの子が何がそんなにいいのかと訊くので「幸せになれる」と答えておく。

2007年9月19日

あさってのイラストを見る

カット数十点を担当した本の刷り上がりが届く。

同じ紙面に別のイラストレーターM某の絵もたくさん載っていて,そのあまりに天真爛漫な作風に唖然とする。

ショックで,編集担当のH某に長めのメール。

「ページをめくるごとにサプライズの連続で,
自分の絵を確認するよりもヒトの絵に見入る時間の方が長い一冊でした。
ヘタだしメチャクチャなんだけど,
『無意識』過剰を始めから最後まで貫く気持よさに
見る側としてはただ笑い続けるだけ。
超人バスケと四次元ゴール・ 近未来レトロおじさん・キノコ目覚まし時計…
ほとんどシュールの域です。ボー然。夜ごと夢にうなされそう。
目の前でこういう世界を展開されてはお手上げです。
初心に帰って,あてのない修行の旅に出る日も近いかもしれません…。
というわけで,ごく一部のヒトには
非常にエキサイティングな本に仕上がっていると思います。
恐るべし,○○さん… 」

2007年9月8日

ミーカ「Life In Cartoon Motion」を聞く

音域の広いボーカル。狂ったように弾けていたかと思うと愁いに満ちたミディアムバラードをじっくり歌い上げていたりする。フレディー・マーキュリーだったりエルトン・ジョンだったりするカラフルな声に加えて,新しいのにどこか懐かしいメロディー。すごい人が出てきたなと舌を巻く。

ベイルート出身,英国を中心に活躍する,狂気をはらんだ天才の出現…かも。

2007年8月31日

ファウンテインズ・オブ・ウェイン「Traffic and Weather」を聞く

ビートルズ系のコーラス多用のポップ・ロックで,音はちっとも新しくない。でも,たぶんそれゆえに泣けそうなくらい引き込まれる。

次から次へチャーミングなメロディーを書ける才能がいいし,ボーカルの声の質が好みに合う。バリエーションはうまく効かせながらもムダにひねったりしないバランス感覚がマル。

2007年8月20日

ドラマ「さくら」を見る(その2)

ホテル建設話のあたりから少しおもしろくなくなってきたかと思っていると,その問題が収まった後,とんでもない展開になる。

クリスマスから正月…静かな変調…そして,朝ドラ史上に残るこわい場面が出てくる(といっても実のところ朝ドラはあんまり見ていない)。

部屋いっぱいの○○に一瞬ぎょっとして震え,それから前回前々回を思い出してじわじわと鳥肌立つ。ここまでのすべてが伏線になってパンチの威力が増す。狙った結果ではないかもしれないけれど,こういう手もあるんだと感心することしきり。

2007年7月23日

ドラマ「パパとムスメの7日間」を見る

電車の事故でパパとムスメの人格が入れ替わるという,よくある話。

女子高生風の舘ひろしとオヤジ風の新垣結衣はもちろんおもしろいけれど,ワタシが心ひかれるのはママ(麻生祐未)。調子のいい明るい主婦役が見ていて楽しい。怒った時の表情も美しくて,にわかファンになる。こんな奥さんがほしいという気持と,あんな奥さんになりたかった(?)という気持が半々(ちょっと変)。

2007年7月19日

世論に耳を傾ける

夜遅い電車の中,仕事帰りらしい30歳くらいの男女が近づく参院選の話をしている。

「今回は民主党に入れる」と,女性が決意を表明する。男性の方は「それより自民党はそのままで中から改革して行く方が早いよ」と反論する。

「じいさんか,キミは。何でそんなとこでずぼらする」と一言突っ込みたい外野のワタシ。

電車に揺られながら,目をつぶってそ知らぬ顔で耳を傾ける,日本の世論の縮図…。

2007年6月30日

新聞で假屋崎省吾のインタビュー記事を読む

華道家は「この世界で,猫ほど美しいものってないんじゃないかしら」と語る。

同じことを感じている人がいるんだなと,昔飼っていた黒猫のことを思い出す。抱き上げる度に,何て美しい生き物なんだろうと,ため息をつかんばかりにながめた。

最近,仕事で化け猫の絵を描く機会があったけれど,町人を襲う妖怪でも猫は猫,心のどこかでかわいいなーと思いながら線を引いたりする。

假屋崎省吾はさらにその上を行く。ひとしきり「親バカ」ぶりを語った後の締めくくりの言葉は,「化け猫になってもいいから長生きしてほしいと思いますね」。

2007年6月22日

西澤保彦「七回死んだ男」を読む

こういう変な小説を探していた。

時のらせんにはまりこみ一日を九回くり返す不思議な体質を持つ高校生久太郎。たまたまその日に祖父殺しに直面して話がややこしくなる。何とかしてそれを防ごうとするが何度やり直しても事件は起こり…。

SF的な設定をうまく生かしながらきちんと本格ミステリしている。事件の容疑者の行動の描き方が反復ギャグになっているあたり,ツボを押えていてうれしい。

2007年6月9日

ポール・マッカートニー「Memory Almost Full」を聞く

2年前の静かな前作とは正反対のベクトル。見事に裏をかかれる。

ベースをびんびん弾きまくり,あちこちでシャウトしまくり,自由自在に楽しんで作っているのが伝わってくる快作。

新しい音が断片的に出てくる一方,70年代から90年代のポールの音楽の集大成にもなっているおもしろいアルバム。カラフルなコーラスワークが良い。

4曲目「Only Mama Knows」,久しぶりにロックするポールに,ミーハーの女の子(おばさん?)みたいに「キャー,カックイー!」と叫んでしまいそう。サビの後半,♪I never knew...の後同時に鳴るギターとベースの音にしびれる。

8曲目「Vintage Clothes」のギターのカッティングにアタマのネジが飛ぶ。

12曲目「The End of the End」は死ぬ日のことを歌う美しいバラード。去年から続く離婚騒動でポールもいろいろ思うところあるんだろうなーとしんみりする。でも,アルバムのエンディングはそれではなく…。

ラスト13曲目「Nod Your Head」。過激なアレンジをバックに,こわれかけたボーカルで♪If you really love me baby/Nod your head...とガナる。元気すぎる。しんみりして損した。何歳になっても変わらない天然いちびりポールに脱帽。

日本盤ではこの後にボーナストラック「Why So Blue」がつく。日本人好みのセンチメンタルなバラード。でも,これって,ポールの「なんちゃって」の後にレコード会社が重ねて「なんちゃって」をやってるみたいな…。わけわからないことになってる。いいのか…。

2007年6月6日

数字を見る

70000万円…取引先からのメールにイラスト・デザイン料の提示でそう書いてあったので,7億あれば左うちわで暮らせるなーと,手の届かない夢にむなしく笑う。

去年は別の取引先のメールが10,000円×7点=700,000円と告げて大いに悩ませてくれたし,おとどしには3.3333円という不思議な記述もあった(3万? 3千? もしかして3円33銭…?)。

おおらかになりつつある日本人…と,好意的に解釈しておく。

2007年5月31日

竹内まりや「デニム」を聞く

いつもながらのよく出来た甘いポップス満載。好きだけど,以前作っていたさりげなく過激な歌が見られないのが不満かなと思いながらCDブックレットをめくる。

と,…何なんだ,これは。

表紙はともかく,次の見開きの写真がいきなり何というアブナさ…。他のページでも,イッてしまった目でぺたんとすわり込んでいたり,古い日本家屋の廊下でそのポーズはないだろうという写真など,ヘンなのが次から次に出てくる。縁側でたたずむ写真は目のやり場に困るし…(そういうのワタシだけ?)。

表の甘さゆえに効いてくる裏の過激さ。究極の天然さんなのか,確信犯なのか,ただものではない52歳にあらためて一目置く。

2007年5月18日

ドラマ「プロポーズ大作戦」を見る

最愛の人が他の男と結婚してしまう。結婚式当日,悔みきれない主人公健(山下智久)の前に妖精(三上博)が現れ,健を過去へタイムスリップさせて…という荒唐無稽な話。

意外に細部がきちんと作られておもしろく見せる。

毎回礼(長澤まさみ)に気持を伝えられず現在に引き戻されるラスト,テーマ曲「明日晴れるかな」がかぶさってエンドロールになる。けっこう切ない。

特筆すべきは第5話。礼の祖父(夏八木勲)が言う台詞「明日やろうは馬鹿野郎」が胸に来る。自分でもわかっていて実行できないじれったさ。その一言が何日もの間頭から離れない…。

2007年5月9日

妖怪を描く

育児関係の本のカットと日本紹介の英語本のカットの仕事が同時進行。後者ではろくろ首などの妖怪の絵が10点ほど出てくる。ワタシにとっては硬派な部類の絵。ついさっきまで「ママのお風呂は特急よー」みたいな世界を甘く描いていたのに,次の瞬間「出たな,妖怪!」を筆ペンで描写する…落差ありすぎ。

脳みそが二つに割れてこっちが妖怪化しそう。

やさしいママの声に赤ちゃんがふと目を上げる…すると,そこにあったのは,ろくろ首…のっぺらぼう…山姥…いけない空想で息抜きする。

2007年4月29日

ドラマ「さくら」を見る

2002年NHK朝ドラの再放送。ハワイ日系4世のさくら(高野志穂)が日本へやって来て文化的ギャップからあちこちで引き起こす騒動をコミカルに描く。

話の展開や演出が定番通り,ほとんどベタの嵐。なのに楽しくてしかたがないのは,テンポの良さとヒロインの魅力に加えて,脇役がみなおもしろいキャラクターだったりするから?

当時何でこれを見逃したかなーと,夢中になって見る。

ニッポンの空気が読めず「それはfairじゃない!」とまっすぐ切り込んでくるベリーショートヘアのさくらに限りない共感 。

元々のお目当てだった長澤まさみはこの時点ではまだ地味な感じで,狭い空間の中で長い手足をもてあましているように見える。

太田裕美の甘ったるい台詞まわしに苦笑,浅田美代子演ずる主婦の心情に我知らず寄り添う。コンプレックスいっぱいの英語教師役,野口五郎はクリーンヒットだけれど,助演男優賞ものはさくらの「相手役」の小澤征悦。保健体育教師が絶妙にはまっておかしい。