2011年10月31日

「市川崑物語」を見る

'06年, 岩井俊二監督。

市川崑の足跡をサイレントムービー風の趣向で描く。始めの方はちょっと退屈するけれど,妻で脚本家の和田夏十が出て来るあたりからおもしろくなる。夫婦のコンビネーションがうらやましい。

一番の見所は,岩井俊二の市川崑への尊敬と愛情が炸裂する,70年代の金田一耕助シリーズについて触れた個所。こんなに好きだとは。

ほとんど暴走している。暴走ついでに犯人をバラしまくっているのはどうかと思うが,笑ってしまうところでもある(ワタシ自身は被害を受けなかったけれど,これから横溝正史を読もうとしていた人は怒り心頭だろうなー)。

もう一度「犬神家の一族」を見てみたくなる。

和田夏十が亡くなった後も精力的に映画を撮り続ける監督。ニコチンと放射能などというものを持ち出してユーモラスに描かれる姿を見ていると,こちらも何となく幸せな気分になって来る。