2013年8月16日

綿矢りさ「かわいそうだね?」を読む

中編二つ。

表題作「かわいそうだね?」は登場人物が好きになれないせいかノレない。

最後の暴走は,あの綿矢りさがここまでやる?的な驚きはあるものの,生理的にダメ。確かに面白いんだけど,あまりにベタすぎ。

もう一つの「亜美ちゃんは美人」の方がよい。

美人の亜美ちゃんと引き立て役のさかきちゃん。高校生の女の子二人のいかにもなお話かと思いきや,後半すごい展開になる。見たくないものを見せられるのが快感になるのも作者の筆が冴えてるから?

さかきちゃんという三人称で語られるのになんの不思議もないはずなのに,それ自体があまり見たことない味になっていたり。

変な出方をする小池くんというキャラクターも花(?)をそえる。

小説としてのバランスがこれでいいのかどうか判断できないけど,痛かゆいところに手が届きまくるようなこの話, ワタシはとても気に入りました。