2018年1月5日

「狩人の夜」を見る

'55年、チャールズ・ロートン監督。

白黒で撮られたストレートなサスペンス劇と見せかけて…。

映像が幻想的かつ異様。

伝道師に扮する殺人鬼(ロバート・ミッチャム)の両手の指に彫られた「H-A-T-E」と「L-O-V-E」の文字。

子どもたちが歌う首吊りの歌。

水底で水草といっしょに揺らめく死体の悪夢的な美しさ。

夜に子どもたちがボートで逃げるシーンに出てくる小動物の撮り方。

馬に乗って悠然と進む殺人鬼のシルエット。

後半、たくましい老婦人(リリアン・ギッシュ)が登場するとちょっと雰囲気が変わる。普通っぽくなる。

それでも善と悪のデュエット(?)みたいな奇妙な場面はあるし、ラスト近くでは群衆が唐突に暴走するし…。

全体に力の入れ方のバランスが変なのか? そのためにどこにもないような作品に仕上がったような。そういうヘンな感覚、好きです。