登場人物がみんな変。演出が変。久しぶりに見る怪作。
一番度肝を抜かれたのは空いっぱいの巨大な月。ロマンチックを通り越して異様。
他にも、いやらしく揺れるクルマ、突如ストーカー化したタクシー運転手、それとヒロイン(伊藤歩)が戦う場面の成り行き、見かけによらず弱いヒーロー(市原隼人)の不思議な服、ボケたふりの老人、飛び交うポエム風のセリフ、音もなくせり上がる介護ベッドと「フッフッフ」という笑い声…。
次から次へとくり出される狂ったシーンに毎回あきれる。
わざとやってる?
最終回、エレベーターの前で市原隼人がスケッチブックで何をするかと思えば…。
画竜点睛のサゲとはこういうのをいう。
お話がむちゃくちゃすぎて傑作の部類には入らないけど、そのむちゃくちゃさがいとしく、好ましい。