2020年9月25日

住野よる「君の膵臓をたべたい」を読む

いかにも軽い感じの文章にちょっと引きそうになりながらも、主人公の男女がくっきり描かれるのが悪くない、おもしろく読む。

読みながらいろいろなものを思い出す。自分の高校時代であったり、「世界の中心で、愛をさけぶ」であったり…。なぜか映画「シャレード」も。あらゆるセリフを気の利いた感じに仕上げようと必死に(?)なっているように見えたりするところ(語り手の男子の設定がそうなってる)。まあ嫌いじゃないんだけど。

先に読んだうちの奥様が主人公の男子がワタシに似ていると言うけどどうかなー。…っていうか、その感覚、よくわかる(わかるんか)。

最後、共病文庫をめぐっては、作者がミステリ的手法を使って楽しませてくれたりするので、センチメンタルな歓喜の涙にむせぶ。好きか嫌いかと言われたらかなり好き。

こういうお話は世間で大々的に騒がれたりしない世界で、ひとりひっそり楽しみたかったなー(ああ、こういうところが主人公男子的か)。