2024年7月22日

大澤めぐみ「おにぎりスタッバー」を読む

魔法がからむ異形の青春小説。

脳天をエクスカリバーが直撃するような文体に驚く。何なんだ、この人は。ちょっと変わった青春小説かと思いながら読み進めると早々にとんでもない展開に。

おかしさと切なさとグロテスクな奇想が渾然一体となって後半どんどん速度を上げる。

最後のページは一行四文字のみ。奔放な文体と裏腹な完全主義者的な職人芸に圧倒される。これと同じ趣向をハヤカワ・SF・シリーズの星新一の短編集で見たことがある。こういうのに弱い。

いろいろな意味でバンザイ。ついでにどうでもいいところだけど、「コピックマーカーってマロングラッセの匂いがしない?」というセリフが出てくる箇所があって、ここちよい不意打ちにシビれた…。