お昼時,マンションの廊下から近所の幼児の声が聞える。
「空から見てるー」
その子の母親が「ホントだねー」と答える。
空から何が見ているんだ? シュールすぎる。
廊下から見えるのは北側の空だからお天道さんが見てるのではない。何だろう。気になる…ありふれた日常生活の裂け目から突如として顔を出す異形のもの。
ふと古い歌を思い出す。佐井好子「見果てぬ夢」。明るくきれいな音とメロディー。でも歌詞の中身は…
♪海の向こうから ほほえみ浮かべた 人間もどき
空からふってくるのは 血まみれの緑いろ
あの歌が表現したものは案外こういう平凡な日常だったのかなー…なんて。