'64年,ジャック・ドゥミ監督。
十代の終わりくらいに見て以来で,ラスト以外は退屈かと思っていたらそんなことはなくて,面白さに圧倒される。
青やピンクや緑を自在にあやつる,狂ったようなカラリストぶりがすごい。そこが第一。
加えて,皮肉な予言者みたいなセリフが散りばめられる。若いカトリーヌ・ドヌーブは美しい。ところどころ奇妙なショットがはさまれたりもする…。ベタなラブストーリーとは裏腹に映画的突っ込みどころ満載(もちろんすべて賞賛)の傑作。
ほとんど全編に渡る色の「氾濫」はラストの雪の白の効果を上げるためだったのかと,今さらながらに納得する。