2014年6月25日

「シェルブールの雨傘」を見る

'64年,ジャック・ドゥミ監督。

十代の終わりくらいに見て以来で,ラスト以外は退屈かと思っていたらそんなことはなくて,面白さに圧倒される。

青やピンクや緑を自在にあやつる,狂ったようなカラリストぶりがすごい。そこが第一。

加えて,皮肉な予言者みたいなセリフが散りばめられる。若いカトリーヌ・ドヌーブは美しい。ところどころ奇妙なショットがはさまれたりもする…。ベタなラブストーリーとは裏腹に映画的突っ込みどころ満載(もちろんすべて賞賛)の傑作。

ほとんど全編に渡る色の「氾濫」はラストの雪の白の効果を上げるためだったのかと,今さらながらに納得する。