第1回冒頭の描写があんまりだったので見るのをやめようかと,その時は思ったけれど…。
連続する一家無理心中の謎のグロテスクな怖さを中心に,認知症,子ども虐待,ストーカー男など重いモチーフを派手に散りばめる。
普通だったら耐えられないところを救うのが伊藤淳史の役どころ。変な恋人(山口紗弥加)をめぐる脱力的な笑い,その振り幅にやられる。特に前半に見られたその不思議なセンス。よくこんなものが作れたなー。
いろいろな要素が何重にもからみ合った物語は濃厚なエネルギーでどんどん進む。そしてそれが最後に行き着いたところは…。
超背負い投げ。狂ってる。お見事。見終わって肩でハーハー息をしながら(こんなにチカラ入ったドラマも珍しい)何年に一作の傑作の余韻にふける。