2024年9月9日

小林泰三「アリス殺し」を読む

この世界と「アリス」の世界が夢でつながっている。そこで起こる殺人事件。アリス好きが泣いて喜ぶミステリの怪作。よくこんなこと考えるなと感心する。

会話が狂った論理で貫かれてたたみ込むように続くのが楽しい。

「アリス」に出てくるキャラクターがうまく描かれて謎解きに組み込まれている。企画倒れにならず本格ミステリとしてはきちんと書かれている。そこは好感が持てる。

ただし「殺人」のグロテスクな描写には閉口。悪趣味。最後の方のアレまで行くと残酷を通り越して笑えるけど。