'12年、レジス・ロワンサル監督。
オープニング・タイトルからフィフティーズ色全開でいきなりやられてしまう。好き、好き、大好き。
タイプライターの早打ち大会を軸にしたオールドファッションなロマンティック・コメディー。優勝を目指してのスポ根もどきの味付けにはそれほど惹かれないが、話のテンポがいいので退屈せずに一気に見てしまう。
ヒロイン(デボラ・フランソワ)の服が場面ごとにくるくる変わるのはこういう映画のお約束。どれもこれも反則技的におしゃれすぎ、かわいすぎだろうという…。他の女優のファッションも負けず劣らずよくてスタッフの力の入れようがわかる。
時代ものの車がたくさん走る中、主人公の乗る白い車のデザインに目が釘づけになる。こんなおもしろい顔つきの車があったんだなー(パナール・ディナZというらしい)。
原題は「Populaire」。出てくるタイプライターの名前でもある。終盤で話にうまくからめてある。
あの時代の映画への愛情があふれんばかり。その世界を洗練された姿で21世紀に甦らせた製作陣に感謝する。