'75年、ダリオ・アルジェント監督。
「サスペリア」の2年前に作られた、続編でもなんでもない「傑作」。原題は「Profondo Rosso」。
話は普通にミステリ。普通じゃないのは殺人場面。残酷描写と耽美主義が合わさって得も言われぬ快感、見たくないのに目がそらせない。なぜそこまでする? 意味がわからない。
場面ごとの映画的効果がすべてで、論理的な展開などどうでもいいと思ってる?
美術や撮影の主張がすごい。古典的なところとモダンなところがうまく調和して強い印象を残す。壁にかかった絵とかおもしろいなー。ヨーロッパの伝統の力か。
怖かったのは自動人形。意味はないのに一番。
意外なのはコミカルな場面が出てくるところ。ヒロイン(ダリア・ニコロディ) の身のこなし、よし。オンボロ車もおかしい。
音楽担当のゴブリンもいいなー。
最後、犯人の正体が明かされる場面にびっくり。「巻き戻し」必至。そこからラストへなだれ込む場面のサービス精神もたまらない。
「サスペリア」はホラーだからということもあってそれほどいいと思わないけど、こちらは困ったことにどうも好きになってしまったらしい。キライよ…でも好きなの、的な。