ドラマとしてはまあまあの線か。今田美桜を見るためのドラマ。やなせたかしについての思い出もあるのでけっこう毎日楽しんで見る。
ヒロインのぶ、前半は元気いっぱいでよかったけれど、後半仕事を辞めてからは手持ちぶさたに見える。もう少し活躍させられなかったのかなー。ただ、表情を無理に作っていない時の方が今田美桜のよさが伝わってくる気がするので、逆にそちらに光を当てるシーンも多かったかもしれない。
アニメの「アンパンマン」はあまり見たことがない。ドラマの中での盛り上がりに対しては「ああ、そうなんだ」くらいの感想。それでも今田美桜がドキンちゃんにしか見えない瞬間が何度もあって、やっぱりすごいんだなと遅まきながら変な方向から思い直したりする。
「詩とメルヘン」が懐かしすぎる。誌上で毎月やっていたイラストコンクール(20年以上続いたらしい)、何度も出したけど一度も入選できなくて。かろうじて選外秀作になったことはあったものの「画風は完成しているがどちらかといえばコマーシャル向きの絵」とか「すぐ使える絵だがおもしろさに欠ける」みたいな手厳しいコメントをもらったりした。あの評はやなせたかし本人が書いていた? 駆け出しのイラストレーターだったワタシには勉強になったけど。
ドラマ最終回はえらくゆっくりした二人の会話が続く。テーマとからめて万全の体制で幕が引かれる。あまり好みの脚本ではないのになぜか涙があふれそうになるので困った…。
全130回、一番印象に残ったのは終戦の時ののぶの放心した顔をアップでとらえた無音のシーン。無表情という演技に目が釘付けになる。
一番好きなシーンは「月刊くじら」の表紙に嵩(北村匠海)が描いた女性像をめぐる編集部内のやり取り。誰もがモデルはのぶだと一瞬で気づく。琴子(鳴海唯)がすました顔(完全に表情を殺しているのがおかしい)でのぶにどう思うかと尋ねると、のぶは自分がモデルだと全く気づかずありきたりな返事をする。嵩とのぶの気持の温度差と周囲のあきれ具合をコミカルに描いて秀逸。