2011年7月21日
ドラマ「下流の宴」を見る
何の欲望もないフリーターの翔(窪田正孝)は生きるスッタニパータみたいなものか。すべての煩悩から解放されているともいえる。そんな生きてるのか死んでるのかわからないの,ワタシはいやだけど。
その母親で専業主婦の由美子が,家族みんなを理想の方向に持って行くためにひとりがんばる。ただそのやり方があまりに強引すぎて…。黒木瞳が怪演に近い快演。「オーッホホホ…」という笑い声が耳に残る。
上から目線の由美子の差別的な物言いにはとても共感できないとずっと思っていたけれど,最後の最後で少し空気が変わる。情けない状態になっている家族の中でもひとり前向き。迷いもなくひたすらまっすぐ進む姿がいっそ清々しく見える。お見事。
「なぜがんばらない? なぜベストをつくさない?」と,人に対して小さないら立ちを感じることってあるもんなー(自分のことは棚に上げて)。ふだんあまり表に出さないそういう部分が由美子と共鳴してる?
その母親で専業主婦の由美子が,家族みんなを理想の方向に持って行くためにひとりがんばる。ただそのやり方があまりに強引すぎて…。黒木瞳が怪演に近い快演。「オーッホホホ…」という笑い声が耳に残る。
上から目線の由美子の差別的な物言いにはとても共感できないとずっと思っていたけれど,最後の最後で少し空気が変わる。情けない状態になっている家族の中でもひとり前向き。迷いもなくひたすらまっすぐ進む姿がいっそ清々しく見える。お見事。
「なぜがんばらない? なぜベストをつくさない?」と,人に対して小さないら立ちを感じることってあるもんなー(自分のことは棚に上げて)。ふだんあまり表に出さないそういう部分が由美子と共鳴してる?
2011年7月15日
「もののけ姫」を見る
'97年,宮崎駿監督。
話はよくわからない。自然と人の葛藤? 化け物やたたりなどのグロテスクな表現は肌に合わない。ところどころ手に汗握る場面はあって,寝てしまうことはなかったけれど。
救いはヒロインのサン。シャープな造形で,ジブリ映画に出てくる女性で魅力的と思ったのはこれが初めて。いつもこれくらいのキャラクターが出てくればいいのに。
話はよくわからない。自然と人の葛藤? 化け物やたたりなどのグロテスクな表現は肌に合わない。ところどころ手に汗握る場面はあって,寝てしまうことはなかったけれど。
救いはヒロインのサン。シャープな造形で,ジブリ映画に出てくる女性で魅力的と思ったのはこれが初めて。いつもこれくらいのキャラクターが出てくればいいのに。
2011年7月10日
オーガフミヒロ展(蔵丘洞画廊)を見る
新聞のタウン情報で見かけてちょっと気になったので,久しぶりに京都まで。最近展覧会などを見る機会が減っていたのでちょうどよかった。
パネルに描いた絵を額縁なしで展示。下地に金が覗くところが工芸っぽい味で,原画をみるのはやっぱりおもしろい。小さな絵がかっちりまとまっていてよい。
二昔前のイラスト公募にでもありそうな画風はそんなにすごいわけではないんだけれど,詩的な刺激はあって,ワタシもアナログでちゃんとした絵を描きたいなーと思ったりする。
2011年7月6日
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」を読む
最後から二行目(絶対に先に読まないで!)…云々と文庫本裏表紙に書いてある。ありふれた恋愛小説が一瞬にしてミステリに変わるなんていうアクロバットが本当に成立するのか?
期待に胸をふくらませながら注意深く読み進めると,あちこちに怪しい個所はある。ある時点で「もしかして…」と思ったりもしたのだけれど,ミスディレクションの巧みさに結局は最終ページで見事にやられてしまう(今さらこんな手にひっかかるなよ…)。
でも,この小説のすごさはそのあと。読み返すと時間差攻撃みたいに思ってもみなかった全体の別の顔がじわじわ現れてくる。こんな小説,見たことない。
80年代後半の若いカップルの恋愛模様と,精密に組み立てられたパズル。結びつきそうにないふたつを融合して成功した傑作ミステリ。
理屈っぽい主人公鈴木夕樹の恋愛状況描写はいかにもまじめな理系君。それはいくらなんでもと苦笑しつつも楽しんで読んだ(特に,濡れ場なんて,普通こんな書き方しない)。
バブルにさしかかる日本のはやりモノにはあまり思い入れがないので軽くやり過ごす。それよりワタシには,はじめの方に出てくる泡坂妻夫と連城三紀彦の本の方が懐かしくうれしい。デビューした頃の彼らが目指したミステリ世界というのは正にこの「イニシエーション・ラブ」と同じ方向。こういう形で受け継いで再現してくれた作者に深く感謝。
だまされやすい体質であるということは何て幸せなんだろうとつくづく思い,その一方で,某登場人物はしたたかではあるものの生命力にあふれているとも言え,決してコワくはないと,あまのじゃくな応援をしたくなったりする。
いろんな方向からの突っ込みどころ満載なのも結果的にはこのミステリの奥行きを深めているかと思われる。
期待に胸をふくらませながら注意深く読み進めると,あちこちに怪しい個所はある。ある時点で「もしかして…」と思ったりもしたのだけれど,ミスディレクションの巧みさに結局は最終ページで見事にやられてしまう(今さらこんな手にひっかかるなよ…)。
でも,この小説のすごさはそのあと。読み返すと時間差攻撃みたいに思ってもみなかった全体の別の顔がじわじわ現れてくる。こんな小説,見たことない。
80年代後半の若いカップルの恋愛模様と,精密に組み立てられたパズル。結びつきそうにないふたつを融合して成功した傑作ミステリ。
理屈っぽい主人公鈴木夕樹の恋愛状況描写はいかにもまじめな理系君。それはいくらなんでもと苦笑しつつも楽しんで読んだ(特に,濡れ場なんて,普通こんな書き方しない)。
バブルにさしかかる日本のはやりモノにはあまり思い入れがないので軽くやり過ごす。それよりワタシには,はじめの方に出てくる泡坂妻夫と連城三紀彦の本の方が懐かしくうれしい。デビューした頃の彼らが目指したミステリ世界というのは正にこの「イニシエーション・ラブ」と同じ方向。こういう形で受け継いで再現してくれた作者に深く感謝。
だまされやすい体質であるということは何て幸せなんだろうとつくづく思い,その一方で,某登場人物はしたたかではあるものの生命力にあふれているとも言え,決してコワくはないと,あまのじゃくな応援をしたくなったりする。
いろんな方向からの突っ込みどころ満載なのも結果的にはこのミステリの奥行きを深めているかと思われる。
2011年7月4日
ドラマ「アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜」を見る
工場実習なんてやりたくないなー。ケガしそう…っていうか,なんか生理的にムリ。理系のアタマや職人気質は好きなんだけどなー。高校の友情物語ってのもあんまり興味ないしなー。暑苦しそう。ガラの悪いのがうじゃうじゃ出てくるのもイヤだなー。笹野高史がギャグ場面担当(?)でがんばってはいるけど何だかなー。武井咲もそれほど好みじゃないし…。見る気ないんだけどなー。
といいつつ,しっかり最終回まで見る。
武井咲の体を張っての演技(罰ゲームに近い)。油みたいな液体を頭からかぶったり,泥まみれになったり,水に飛び込んだり,やたら転がったり,17歳のきれいな女の子にどんだけやらせるんだと半分あきれながら見ていた。
好みではないはずの女の子がいつのまにか大好きになる危険。何てアブナいドラマなんだ…。
といいつつ,しっかり最終回まで見る。
武井咲の体を張っての演技(罰ゲームに近い)。油みたいな液体を頭からかぶったり,泥まみれになったり,水に飛び込んだり,やたら転がったり,17歳のきれいな女の子にどんだけやらせるんだと半分あきれながら見ていた。
好みではないはずの女の子がいつのまにか大好きになる危険。何てアブナいドラマなんだ…。
ドラマ「失恋保険~告らせ屋~」を見る
第1話を見てあんまりひねりがないかなーと思ったけれど,福田沙紀が出ているので何となく続けて見て,何となく最終回を迎える。
物語は初めから最後までその調子で,可もなく不可もなし。
一方,福田沙紀はその遅れて来たアイドル的演技でワタシのツボを刺激しまくり。たぶん彼女のカタチそのものが好みなので,ある程度そうなるのは予想されたことだけど,このドラマのカラーとぴったり合って,魅力が何倍にも増幅されたかもしれない。
あくまでも極私的なハナシ。ほかのヒトは知らない。
物語は初めから最後までその調子で,可もなく不可もなし。
一方,福田沙紀はその遅れて来たアイドル的演技でワタシのツボを刺激しまくり。たぶん彼女のカタチそのものが好みなので,ある程度そうなるのは予想されたことだけど,このドラマのカラーとぴったり合って,魅力が何倍にも増幅されたかもしれない。
あくまでも極私的なハナシ。ほかのヒトは知らない。
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