2011年7月21日

ドラマ「下流の宴」を見る

何の欲望もないフリーターの翔(窪田正孝)は生きるスッタニパータみたいなものか。すべての煩悩から解放されているともいえる。そんな生きてるのか死んでるのかわからないの,ワタシはいやだけど。

その母親で専業主婦の由美子が,家族みんなを理想の方向に持って行くためにひとりがんばる。ただそのやり方があまりに強引すぎて…。黒木瞳が怪演に近い快演。「オーッホホホ…」という笑い声が耳に残る。

上から目線の由美子の差別的な物言いにはとても共感できないとずっと思っていたけれど,最後の最後で少し空気が変わる。情けない状態になっている家族の中でもひとり前向き。迷いもなくひたすらまっすぐ進む姿がいっそ清々しく見える。お見事。

「なぜがんばらない? なぜベストをつくさない?」と,人に対して小さないら立ちを感じることってあるもんなー(自分のことは棚に上げて)。ふだんあまり表に出さないそういう部分が由美子と共鳴してる?