2012年5月26日

中山七里「さよならドビュッシー」を読む

新聞広告のキャッチコピーにひかれ,大どんでん返しを期待しつつ読む。

が,はじめの方で事件が起こる時点で何かもうバレバレ…?

高校生ががんばって書いてる,みたいな文章で,結果的には内容とマッチしてしまっているという…。「アベック」などという表現が出てきて苦笑する(この言葉を目にするの,何年ぶり?)。

大量に出てくる音楽に関する描写はピンと来ない。でもこれはきっとクラシック音楽に詳しくないワタシのせい。ドビュッシーが好きだと言いながら最近ほとんど聞いていないし。

ずいぶん前に図書館から楽譜集を借りてきて,ドビュッシーの「月の光」のページのコピーをとって眺めたりしていたことがある。複雑なのか単純なのかわからない不思議な音の構成であることだけはその時よくわかった…。ドビュッシーは手の届かない不思議ちゃんアイドルのようなもの。

第8回『このミステリーがすごい!』大賞ではあるけれど,うまくだまされなかったために,評価はビミョー。それでも最後の一行は意外に「青春」しててちょっと好きかも。