第1巻で私服の亜豆美保が大きく描かれた絵を見た瞬間これは傑作だと確信する。
シャープな線でしなやかに描かれるキャラクターたちに魅了され続ける。ゆるーいイラストレーターなら味に逃げてごまかしたりするところ、小畑健は初めから最後まで正攻法で突き進む。リアルすぎてヤボになったりすることもなく完璧。それを裏打ちするファッションセンスも要注目。
物語の方はものつくりの現場を描いて身にしみるシーン多し。
登場人物では漫画家の平丸が好き。純粋な不純ぶりに笑う。ちょっと天然さんっぽい蒼樹紅と合わせ心あたたまるおかしさ。
各話の最後に一見開き分の作者二人のネームが並んで載っている。普通のコマ割りの大場ネームを大胆に描き変える小畑ネームが作中の主人公チームをなぞっている。大場つぐみがしばしば書き込むおじさんっぽいコメントに「なるほどなー」と納得したり。
最終話のネームはエンディングの見開き場面。大場ネームの足の指定と本番仕上げを見比べて二度感動してしまう。よいものを見せてもらったなー。