浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」を読む

入社試験をモチーフに人間の裏表をからめるミステリ。グループディスカッションに仕掛けられた企みに嫌な展開になるのではと、はじめは思うが…。
6人の大学生の本当の顔はどれ? イメージが猫の目のようにくるくる変わる。小さな違和感はあちこちにあったのだけれどそれの意味はわからず、話は終盤で思ってもみなかった方向へ進む。怒涛の展開。ページをめくる手が止まらない。
ラストの手前での「嶌衣織の○」に参る。メイン部分ではないが心の中でうおーっと叫ぶ。
律儀すぎる伏線回収がおもしろくてしかたがない。
技巧のかたまりみたいな小説。