'57年,ミシェル・ボワロン監督。
1950年代後半あたりの洋画を見るときは,何よりも画面から発せられるレトロおしゃれ攻撃にやられてしまうのだけれど,ブリジット・バルドーが登場すると同時にそんなものはふっとんでしまう。コケティッシュを極めた小悪魔。
一応ラブコメディーとしてそれなりに作られてはいるものの,映画に出てくるすべてのものがBBに奉仕する。展開も,カット割りも,ファッションも,台詞も,音も,登場人物も。
ヒロインをどれだけかわいくきれいにセクシーに見せられるか,それだけを考えて撮られたように見える。ここまでやれば,もうほとんど崇高な志。
たぶんその純粋さゆえ,半世紀たった今見てもじゅうぶん幸せになれる。
くしゃみを小道具として使ったサゲの小粋さ,とてもよい。