超豪華な出演者で描かれる八女家の昭和時代。実在の人物もたくさん出てきて,いろんな意味で出血大サービス。深みはないけれど,肩のこらないエンターテインメントに徹しているのがよい。
あらゆる場面で突っ込みどころ満載のつるちゃん(大泉洋)の存在がおかしい。「空気読めない(あえて読まない?)」を地でいく小説家阿野(山本耕史)のとぼけた振る舞いも。
メインストーリーそのものはそんなに濃い味付けにはなっていなくて,それでも登場人物ひとりひとりがくっきり浮かび上がるあたり,ていねいな作りだなと思う。一応主人公は八女政子(柴咲コウ)だけど,それ以外の主要人物がいったいどれくらいいるか,数えきれない…。
幕の内弁当風の労作。細かいことを言わず楽しむのが吉。