'04年のジブリ映画。
あまりおもしろくなさそう…と思いながら見始める。がらくたの寄せ集めの「城」ががちゃがちゃ移動するところのアップになって,これは絶対好みじゃないと確信する。それがローティーンの男の子の夢みたいな絵だったから。
…が,違っていた。
流れが変わるのはマルクルが出てきてから。外見は少年だけれど接客の度に魔法のフードで老人に変身する。その時のリズム感がなぜかツボをついてしまい,以後出てくるキャラクターが次々にお気に入りになる状況に。
ドアの横の四色のスイッチで,つながる世界がくるくる変わるというのが,またおもしろくて。
魔法使いの話は元々苦手な方なのに,この作品の世界観(?)がほとんどいとおしいとさえ思えてくる不思議。戦争に関するメッセージや物語の背景などよくわからない部分も多い。それでも,この世界に浸っている時間が快感。理解できなくても感じることはできる。
すとんと収束するエンディングがみもふたもないといえなくもないが,全体のパワーに比べればほんの小さなキズ。
この魅力はどこから来るのか…。
見たことがなかった心のうちをそっと覗いたような気がする。そこがポイント?