「アナタは手作りプリン担当!」
ある日,うちの奥様からそんな提案が持ち出される。ワタシも顔なじみである友達二人を夕食に呼んだから,そのおもてなしにという。
料理やお菓子を作る趣味はないワタシになぜそんな無謀な試みを…? 大胆にもほどがある。
いや,確かに以前興味を持ってネットでプリンのレシピを調べたことはあったのだけれど,バニラエッセンスを買っただけで,何も手をつけずほったらかしになっていたのだった…。これは天の声かもしれない。
百円ショップをいくつか見て回って耐熱性のプリンカップを仕入れる。
本当は試作品を作って味見してからにするつもりが,ばたばたしていて当日の午後,ぶっつけ本番で作ることに。
まずカラメルソース。調べると,鍋で砂糖を煮詰めた後,お湯を加える時のはね返りが恐ろしいらしいので,電子レンジを使うやり方でいく。きつね色になった砂糖水にそろそろと大さじ1杯のお湯を加えるとじゅわっという音とともにはねる。そのあと焦げ茶色に変化。甘いカラメルソースが出来る過程でこんなにも暴力的な(?)一場面が存在するんだということを体験。長生きはするもんだとちょっと感動する。
プリンカップにカラメルソースを注ぐ前にバターを塗るのを忘れる。最悪皿にあけずカップから直接食べる手もあるからいいかと,そのまま続行。
プリンの液は滞りなくできる。ただ,蒸し器にカップが4つしか入らず,残りの1つを,お湯をはったタッパーに入れて電子レンジで蒸したのは温度調整を忘れたため見事失敗。ぶつぶつでぺちゃんこになる。大人4人とうちの子に1つずつ行き渡る予定が狂う。
オトナの自己責任で失敗作を食べたけど(味そのものはやさしく懐かしい感じで悪くない),なんかものすごく悔しくて,近々リベンジしなくてはと心に誓う。