'47年,吉村公三郎監督。
戦後間もない時期の没落する華族の姿。古くさい映画だろうからおもしろくなかったらさっさと見るのをやめようと思いつつ見始める。
道具立てや人物はいかにもこの時代なのだけれど,ヒロインの原節子が飛び抜けて現代的なキャラクター。それに引きつけられて見るうち,意外にテンポの速いお話がどんどんおもしろくなってくる。
今となっては大時代に感じられる部分もくすくす笑いを誘うギャグみたいで楽しかったりする。当時31歳だったという殿山泰司の老け役ぶりにも驚きと笑い。いろいろ突っ込むところが多いのがこの映画の良さ。
ハイライトシーンはやっぱり「体当たりする原節子」。その場面のスピード感やシャープさにちょっと感動し,「うーん,原節子はすごい」と初めてわかる。