2018年9月30日

ドラマ「半分、青い。」を見る

軽薄でアンバランスで現実離れしててむちゃくちゃな展開。もっとも90年代頃のいわゆるトレンディードラマなんて多かれ少なかれこんな感じだった気もする。

ヒロイン鈴愛(永野芽郁)が全然タイプじゃなくて、初めて見た時思わず「ブ◯」と小声で暴言を吐いてしまったり。

…で、半年間見続けての感想は、「すばらしい。これまでに見た朝ドラの中でNo.2」。

川を挟んで糸電話で話す子供時代の二人にブッチャーが言う「愛の告白か?」が効いたなー。

トークショーで姿を現した秋風羽織(豊川悦司)が最高、楽しすぎる。

実家に失礼を詫びに来た秘書(井川遥)と宇太郎(滝藤賢一)のやりとりの場面がツボ。

漫画家編は、業界的に近いこともあっていろいろ共鳴する部分も多く、見る方もチカラ入る。自分の才能に見切りをつけての激しいやりとりの場面はこのドラマのハイライト。

サンバランドの仕事でやってきたサトエリの描き方がまた軽薄きわまりなくて(ワンレンボディコン、椅子にドンと座る時にムネが揺れる)。その場にいる男たちがメロメロになるのがあまりにベタ。苦笑しかない。…好き。

和子さん(原田知世)も少し変なところのある役柄ではあるけど。だいぶおばさんっぽくなったとはいえ永遠のアイドルだなと思う。笑顔で去る最後の短いイメージショットでの輝きなどデビューの頃と変わらない。

波乱万丈のヒロインは問題行動・問題発言がいっぱい。が、息が詰まりそうな今の世界を生きているとその軽やかさが身にしみる。まぶしいまでの「生きる塊」。

野暮ったい高校生から40歳のシングルマザーまでを演じた18歳の永野芽郁、前髪の変化とともに顔がどんどん変わっていくのに驚く。弱い物語に絶大な説得力を与える、このドラマの楽しさの源泉。

とめどなくツッコミを入れてしまいそうで、かといってそこに深い意味はなく、シッポがつかめない不思議な作品だったなー。終わってしまったことがさみしい。「あまちゃん」以来のロス、か。