地味なアルバム。声の衰えは隠せないし…。
にもかかわらず、1曲1曲新しい試みを忍ばせているのがすごいところ。新しいような懐かしいようななんとも言えない不思議な感じ。地味なのに味わい深い。
コンセプト・アルバムの体裁で曲順通りに聴いていくのが正しい。
2曲目 「I Don't Know」。美しいピアノのイントロで始まるバラード。ポールの叩くドラムがリンゴ・スターみたいな響きなのでうっとりする。もしかしたらこのアルバムで一番好きな部分かもしれないくらい。
5曲目「Who Cares」。変てこな親しみやすさがクセになる。
10曲目「Dominoes」。キャッチーなメロディ。名曲候補。
14曲目「Despite Repeated Warnings」。トランプに代表される(?)狂った船長が操縦する船…。今の世界に対するやりきれない気持ちが歌われるメドレー風大曲。このアルバムのハイライト。感動的といえば感動的。
アルバムとしてはそこそこいいのだけれど、突出していい曲がないのが残念。でも、やっぱりよい(どっちなんだ?)。